市民研究ニュース再掲載 
  環境学習支援 「水の話」(水質測定)  市立 西山田中学校/第二中学校         
                                           エコ体験PT 藤井勝二
 5月下旬から6月下旬までのひと月余りの間に
小学校1校、中学校2校、および家庭教育学級
(小学校保護者会)の計4回に亘り 「水の話」の
(水質測定も)学習支援の機会をいただきました。

 「水の話」の概容は、自然環境での「大循環」、
人々の生活環境下での「小循環」、および水の
分布・利用・恵みなどであり、「水質測定」は水の
汚れをCOD(化学的酸素要求量)の測定により、
また下水処理工程の一端を「凝集沈降と濾過」
実験により、それぞれ自分の目と耳と手で確認
する学習を、基本的内容としています。

 今回は6月に実施した2中学校での支援
内容について振り返ります。 (合計8クラス)
2校共に、主題は「琵琶湖の水環境について」
としました。
 琵琶湖は古代湖でその原形は400万年以上
前に、現在の三重県上野地方に始まり、その後
移動や変化変形を繰り返しながら、現在の位置 
と姿・形に凡そ40万年以上前までになったこと
などの地理・地形的特徴から話をはじめた。

 以下に、具体的な学習項目を列記します。
*琵琶湖の、面積・地形・北湖と南湖・水深・総
  保有水量・放水量その他
*工場/生活排水の垂れ流し時代(40年前後
 以前)の水質汚染と、その後の水質改善
*富栄養化・プランクトン・かび臭などの関連
*生態系の破壊 外来魚の繁殖と在来種減少
*湖水の入替わり(流入から放水迄の滞留期間)
 に要する所要年数の計算により(約9年間!)
 湖水を汚さないことへの意識向上と啓蒙
*琵琶湖の地形的特性について、周囲の自然
 形態・建築構造物との比較をしながら、大きさ
 広さ・湖面標高(85m・大坂城天守閣と同じ)等
*水質測定は、水道水・池/ビオトープの水・
 砂糖水・生徒が手を洗った水、夫々のCODを
 測り、汚れの程度を比較確認するものである。
 但し、この実験は所要時間と授業時間(50分)
 などの点から、やむを得ず、我々だけ或いは
 一部生徒たちの分担にて実施した。
  その結果・・・COD測定という化学的評価上
 からの最もきれいな水は「水道水」、最も汚れ
 ている水は「手を洗った水」、水の色合いから
 汚れが懸念された「池の水」は、ほぼ中間の
 数値となり、生徒達にとっては意外な驚きの
 結果を確認することとなり、実験への関心や
 興味を深める!ことにつながっている。
 (この数値確認時の反応は、どの学校でも同じ)
 
 両校の先生方からの「アンケート」結果
*話の速さ ; ちょうど良い。
*声の大きさ ; 充分である。/やや聞こえづらい。
*内容 ; 大体良かった。
*興味・関心を得る学習であったか ;
       大体そう思う。
*準備物など ; ちょうど良い。
特記事項 (ご意見など)
 ・琵琶湖の地理地形や実験は興味深かった。
  ようである。(実験は生徒全員参加が望まれる。)
 ・実験にもう少し時間をかけて欲しかった。
 ・浄水工程の話は面白そうだった。
 ・琵琶湖の水の入れ替わりに長い時間が
  必要であることと、故に水を汚さないことの
  大切さはよく分かった。
 ・人々の、どのような活動が水を汚すことに
  つながっていくのか、もう少し聞きたかった。

 「琵琶湖の概容」について
(皆さまご承知事項を含む「おさらい?」です)
*面積は、約670 Ku(平方キロ)、日本最大
  霞ヶ浦 (国内2番目・約168 Ku) の4倍
*滋賀県の面積 (約4017 Ku)の 1/6
  淡路島 (約593 Ku) の約 1.1倍
*周囲は、約241Km  最狭部に琵琶湖大橋
*島は、沖島(人口 450人・120戸、世界的
 にも珍しい湖の中の有人島である) の他に
 竹生島、多景島、沖の白石など。
*水深は、 最大 104m、 平均 41m
*水質、北湖は比較的きれい。南湖は北湖に
 比べ汚れている。  「境」は琵琶湖大橋
*河川、「湖」に直接流入する河川は 120本
 出て行く河川は 1本のみ(名称を変えながら)
 瀬田川 ⇒ 宇治川 ⇒ 淀川 (⇒ 大阪湾へ)
*総保有水量  275億トン
 放水量が1秒間に100トンとすると、入れ替
 わるのに約9年をも要する。
*流域 1400万人・13年間分の水瓶である。
 びわ湖の写真とイラスト
※ 西山田中学校は「道徳」の中の「郷土愛」
  醸成のための学習、第二中学校は7月予定
  の「琵琶湖での、スポーツ研修」(一泊二日)
  のための学習であるとの位置付けでした。

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