古代から開けたトルコには多くの遺跡が点在しており、ご紹介したいものは山ほどあるが、 紙面の都合上、トロイ遺跡とエフェス遺跡の断片をご紹介しよう。 |
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*トロイの木馬 〜大きな箱物〜 美女を巡って永き戦いに終止符を打たせた木馬は、木々に囲まれたトロイ遺跡の入り口に静かに立っていた。中に入ってみて驚いた。さぞかし頑強なものだろうという予想とは大違い。当時と同じ木材を用いて同じ工法で造られた木馬。脚の中央にある狭い階段を上ると、薄い板1枚で外部を遮断しただけのワンフロアーと、左右に4つの高窓がある。この窓から観光客は顔を出して写真をとっている。この階にも中央部に細い急な階段がある。階段を上がると天井の低い小部屋。あまりにも簡便な造りなのに、プリントすれば勇壮に見えるから不思議だ。 *トロイ遺跡 〜都市の上に都市〜 木馬の裏手の小道から坂を少し下ると城壁にはさまれた幅1mほどの道がある。来訪者が都市に入る通用門の役割を、この城壁がしていたそうだ。 度重なる近隣諸国の侵略は、地理的、気候的に恵まれていたことの証だろう。そして都市のうえに都市が何層にも造られた ため、発掘作業は難航し、時代区分も判別しにくいほどだという。里山を1時間ほど歩くような心地よい場所なので、ぜひ一度足を運ばれるとよいだろう。 |
*エフェス遺跡 〜紀元前2世紀の10万人都市〜 ヨーロッパ文明の起源を知るには、絶好の都市といえよう。日本の観光地のような人工的なものが全くないのがよい。 ヨーロッパの観光は、5月まではオフシーズン。好天に恵まれ、サングラスと日傘がほしい。広大な都市空間に、ゆったりと配置された巨大な建造物。排ガスも煤煙も騒音もない。人声と風がつむぐ音に、バスで硬くなった体が緩んでいくのがわかる。 * いつの世も、権力者とは欲望を満たすためには何をしても良いと考えるのだろうか?(文責 武本 睦代) P6 9月目次に戻る TOPに戻る ☆HP上でのページ設定A4余白5mmです。 |