タイと日本は、大変親交の厚い間柄です。
今回、日本に在住して6年になるセリラック・オンウマー
さんを訪問し、環境や行政に対して感じている事を文章にし
て寄せていただきました。 (染色講座活動プロジェクト 白石)
タイと日本人と私
■タイと日本の環境
 日本での留学生活を始めて日本の街の印象は、清潔、整然としたところに驚きました。タイでは道路に屋台があふれ歩くのも大変ですが、日本では歩道が歩きやすくて快適だった事が思い出されます。今、タイで環境に対して考慮している事を記したいと思います。

★河川敷は堤防でなく、植物で・・・
 タイのように大陸を流れる河は、川幅数キロにもなりコンクリートの堤防では莫大なお金と自然破壊を伴います。
今、水辺の植物を利用した洪水対策が試されています。水辺に根を張る2メートルの背丈の植物が、根に水を蓄える性質を利用して、植えて増やしています。
★インスタントラーメンの「スープ・薬味の袋」を豆製に・・・
 今、タイではインスタントラーメンのスープ・薬味の袋に豆の成分から作った袋を使う試みがされています。この袋なら捨てることなくそのままラーメンと一緒に食べられます。しかし、費用が高くつきメーカーは及び腰です。定価が上がると売り上げに影響が出るからですが、今後、消費者がいかに価格の上昇を理解するかが問題です。

■行政から見る心の大切さ
 現在、私は日本人と結婚して子供も生まれて子育て奮闘中ですが、日本は少し理解できないことが多すぎます。
★タイと日本の行政の支援について
 日本の行政は、子育て支援サークルや、地
   
 
域での子育て相談、医療費の補助など素晴らしいシステムがあるのに、保育園などは順番待ちでなかなか入れません。
 タイでは、行政の支援はほとんどありませんが、近所の人たちがお互い助け合っています。
    セリラック・オンウマーさん
セリラック・オンウマー
1978年バンコク生まれ。トゥラキットバンディット大学卒業。以前交換留学生として来た日本に興味があり、2000年に日本語学校に留学する。大阪産業大学大学院卒業。タイ語教室講師務める。
★なぜ、日本はこうなのか?
 驚いたことは、行政の支援が多い日本で、親が我が子を虐待したり殺したり、また子供が親を殺したり、タイではめったにない事件が多いことです。いまだに私は理解できません。日本人・日本国全体は、子供を愛しているのでしょうか?
 もう一つの驚きは、ホームレスの人がいることです。経済的にアジアで一番の国なのに、公園や川沿いに並ぶブルーシートの小屋を見たときは驚きました。 タイでもホームレスの人はいますが、日本みたいに集団で見ることはありません。

経済的、物質的に豊かな日本ですが、心のなかは?と考えます。

 タイは、「サヌック サバーイ」(楽しければ快適)という考えがあり、貧乏でもそれなりに人生を楽しむことをいつも人々は考えています。   
(セリラック・オンウマー)
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  ☆中サイズが印刷版原稿に同じ配置です
  
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