研究所長 徳 野 暢 男 | ||
7月21日吹田商工会議所等主催の環境経営普及セミナーが開催されました。当財団も事業経営者に環境問題へ一層関心を深めていただきたい、また事業経営の中で反映していただきたいとの思いから後援しています。 当日は30数名の参加者を得、初めに環境メンタルアドバイザーの立山祐二氏を講師に、『「環境」で強い会社をつくる』〜エコって、こんなにポジティブで楽しいものだったんだ!〜と題する講演がありました。当日演題を目にした時、「環境で・・・」、「環境に・・・」ではないのか?などはなはだ感覚的で情緒的な思いを持って講師の話を聴き始めました。 講演は地球環境の現状を知ることが第一歩であるとして、本年1月のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告をもとに地球温暖化は明白であるという認識のうえにたってすすめられました。そのうえで、環境経営のキーワードは資源生産性であるとして、「コストの低減」「企業リスクの回避」「環境負荷の低減」という企業の三大ニーズの達成に大きく貢献すると具体的な例をあげて説明されました。 事業経営者にとって環境=コストアップと考えがちの中で、そうではないということの説明は、参加者の関心を呼んでいました。講演時間が1時間10分ということもあり、講師の先生にとって十分意のあるところを伝えきれなかったのではな |
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いかと思います。私も環境コストという言葉もあるように、コスト要因としての環境に言及する時間的余裕がほしかったかなと思っています。いずれにしても事業経営者が関心を持ちやすいお話でした。 続いて大阪環境カウンセラー協会執行副理事長の宇田吉明氏による「エコアクション21(EA21)認証登録制度について」講演がありました。この制度は中小事業者の環境への取り組みを促進するため、環境省主導のもと2004年(H16年)からスタートした制度で、ISO14001と同様に環境経営について認証を受けることができる制度です。講演はISO14001との比較から始まりましたが、両者の違いと特徴は、EA21の審査登録料はISOに比べ低廉(サーベイランスはISO14001は3年に、EA21は2年に1回という違いがあっても)であるということ、またEA21は助言・指導を受けることができ、審査人を指定することもできます。これらは審査が甘くなるという懸念がありますが、一方事業者にとって取り組みやすい内容といえるでしょう。わが国の公的制度であるということから国の意思を反映し、二酸化炭素排出量、廃棄物排出量及び総排水量を必ず把握すべき項目として規定しています。この点も国際標準システム重視のISO14001と異なっています。 最後に講演前に比べEA21を習得してもよいと思う人はと講師が問うたところ、多くの方が手を挙げておられました。講演の成果をみるとともに、心強く感じました。またこの機会に吹田市においてもEA21認証登録取得のための補助制度を創設されればと期待しています。その後認証登録を取得された事業者の事例報告を経て当日の講演会を終了いたしました。 P4 8月に戻る TOPに戻る ☆印刷時、HP上のページ設定余白5mm |