温暖化対策としての省エネ家電の見方 その2 エアコン編 温暖化を考えようP (大垣)
先月の冷蔵庫に続き、家庭の電力使用量第1位のエアコンの見方、使い方を取り上げます。☆の元に
なる期間消費電力量算定基準は次の様です。↓(社)日本冷凍空調工業会規格
期間消費電力量の算定基準 使用時間 6:00〜24:00の18時間
外気温 東京 住宅 JISによる平均的木造住宅
室内設定温度 冷房27℃ 部屋の広さ 機種に見合った部屋の広さ(下のKWはランクで消費電力ではない)
暖房20℃ 冷房能力ランク 2.2KW 2.5KW 2.8KW 3.6KW
4.5KW 5KW 6.3KW 7.1KW
期間 冷房3.6ヶ月(6/2-9/21) 畳数 6 8 10
12 14 16 20 23
暖房5.5ヶ月(10/28-4/14) 電力 1KW=22円 |
皆さん、↑これ以上使っておられる様でしたら「使いすぎ」の目安になります。さて、☆☆☆☆☆は目標値
を国が定め、各メーカーにその達成を求めるものですが、最初にCOP又はAPF を求め、能力クラス別に
達成率を定めます。次の式から算出します。
COP (冷暖房平均エネルギー消費効率) COP=能力÷消費電力
APF (通年エネルギー消費効率) APF=1年で必要な冷暖房能力の総和÷上の期間消費電力量
*COPは従来の規格で大型機はこれを使用、3からの5値を示す
APFは新規格で中小型が使用 4から6の値を示す、どちらも数が高い程省エネ
*冷房能力ランクは 単位時間当たりに室内から取り除く,加える熱エネルギーを意味する。電力のWとは別 従来のkcal/hに代わって新規格 例 1800Kcal/h=2.0KW (下に実在機種の説明文) |
その上でクラス別で達成率が異なり、
〜3.2KWクラスで APF 5.8 (6.6)以上 ならば100%達成 ( )は寸法フリー
〜4.0KWクラスで APF 4.9 (6.9)以上 ならば100%達成 ( )は寸法フリー
〜7.1KWクラスで COP 3.17(なし)以上 ならば100%達成 寸法規定なし
*2007基準は大型機に、2010基準は冷暖房/壁かけ型4.0KW以下にAPF基準により☆を求める |
店頭やカタログ上では☆の数は非常に目立つのですが、能力ランクや達成年度が異なっていると同列に比
較できません。むしろAPFの数値の方が正確な目安になります。APFが6になるのは超省エネになります。
冷蔵庫とは異なり、エアコンの場合は、大型機が小型より省エネになることはなく、正比例するか若干落ちる
傾向にあります。これは小型のエアコンといえども大型の冷蔵庫よりも大きいコンプレッサーなので、スケール
メリットがないからです。
しかし実際の省エネ数値はもっと複雑で、最近はムーブアイ(動く眼)機能といって、人のいる所だけに風を送
る機能があります。ムダなく体感温度を下げ、メーカーでは25%の省エネと言いますが、これはAPFの数値に
反映されません。またフィルターに汚れがたまると冷却が低下するのですが、最近のお掃除エアコン(内部は移
動吸引掃除機構造などになっている)の場合、ずっとAPFが維持できることになります。(未掃除実験で125%増)
2008カタログではAPF4.4達成率89%のモデルもあります。しかしこの商品が、売れ残りであったり、メーカーの
技術の無さ、を示すものではありません。同じカタログ内に一方でAPF6.6も出しています。両者はコンプレッサ
ーの構造からして異なりますが、コストダウン低価格モデルも出さないと「このメーカーが好みなのだけど無いから他社に」となってしまうからです。実際問題として、応接間など年に数回しか使わない部屋に超省エネフル機能は高すぎるというのも合理的な考えです。
実在する標準省エネ機の仕様 10畳用 型番号 ○○-28△△
冷房 8〜12畳 能力 2.8KW (0.8-3.5) 消費電力 550W (125-770)
暖房 7〜9畳 能力 3.2KW(0.8-5.1) 消費電力 560W (120-1290)
2010基準100%達成 APF5.8 期間消費電力量967kWh (×22円=)21300円 |
☆印刷版で一番下の記事に 967W とあるのは正しくは期間消費電力量967KWhです。謹んで訂正致します
☆印刷時余白5mm、読みにくい時は印刷プレビュー拡大にて、
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