市民研究員研修講座
             最近の新聞報道に見られる環境問題の動向
                                               市民研究員 森 孝二
 さる5月2日に、プラザの主担研究員の
三浦先生が講師で、第1回市民研究員研修
講座が、代表者会議の終了後に1時間半の
予定で開催されました。参加者も多く盛況
でした。
 講演は、「最近の新聞報道に見られる環問題の動向」と題して、
先生が、昨年11月から半年間調査された、朝日新聞掲載の環境問題の記事520件を分析して整理された、レジメを中心として、先生の講評をお話しになりました。
 500件余りの記事は、大きく6つに分類、
さらに50項目に整理された大変有意義で
素晴らしい資料にまとめられています。
 朝日新聞1紙だけで、500件以上の環境
関連の記事があったことに驚くとともに、
新聞を漫然と見ていたことを恥じる次第で
す。身近に勉強のソースがあっても、問題
意識と感性がなければただの“新聞”にす
ぎません。
 
第1章
「エネルギー・物質の循環」では、

 世界の気候に大きな影響を与える、千年
 単位での「海洋大循環」、原子力、太陽
 光、風力発電などの紹介がありました。
 ・日本の風力発電が欧米から、大きく後れ
  を取っている理由は、政府の助成の問題
  が大きいこと。
 ・ 原子力発電は温暖化ガス削減に非常に
  有効な手段であるが、放射能廃棄物の処
  理と安全性が100%確立されていない。
 
 
第2章
「地球温暖化」では、

 最近の気候変動、温室効果ガス、炭素循環
 の課題などの最近の話題の紹介。
  ・CO2 の排出は、生産活動が46%、運
  輸交通が25%、家庭用が23%であり、家
  庭レベルでは、車に乗らないのが、レジ
  袋よりはるかに有効であること。

第3章
「自然環境の改変と汚染」では、

 オゾン層の破壊の原因、大気・化学物
 質・土壌・水質等の汚染などの記事が取
 り上げられている。
  ・石炭火力発電は、中国78%、インド
  68%、で大きな問題。また原子力発電
  は、フランス78%、日本27%、アメリカ
  16%となっている。

第4章
「自然環境と生物多様性」では、

 森林の減少、砂漠化、自然の減少、外来
 種、農地の荒廃と減少など
  ・ 琵琶湖の生態系の変化 ・クマなどの野
  生動物の人家出没など。

第5章
「都市と環境問題」では

 生活様式、ライフスタイル、車社会、食の
 問題、グリーンコンシューマー
  ・廃棄食品30%の問題 ・環境政策エ
  コカーへの補助金、高速料金一時補助
  金の件など

第6章
「環境を良くする為の行動」では

 国際社会・国の環境政策の問題、企業の
 環境行動など。

紙面がすくなく、先生の講演の一端しか紹
介できず残念です。今年の夏も「異常な気
候」にならないことを期待します。
 
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