. 千里リサイクルプラザ 事務局長 徳野 暢男 |
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「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(環境保全活動・環境教育推進法)という法律があります。議員立法により平成15年(2003年)制定されました。孫引きになりますが、少し紹介したいと思います。 法律は28の条文から構成されています。第2条で「環境教育とは、環境の保全についての理解を深めるために行われる環境の保全に関する教育及び学習をいう。」と「環境保全活動」や「環境保全の意欲の増進」の定義とともに規定されています。 この「環境教育」と言う表現に目が向きました。この定義だけでは抽象的すぎてよく分かりません。そこで資料を紐解くと環境教育については、1972年(昭和47年)の「ストックホルム人間環境宣言」においてその重要性が指摘され、その後「国際環境教育会議」の「ベオグラード憲章」(1975年(昭和50年))や「環境教育政府間会議」の「トビリシ宣言」(1977年(昭和52年))によってその内容が明確化されてきました。それらの中で、環境教育の目的は@環境問題に関心を持ち、A環境に対する人間の責任と役割を理解し、B環境保全に参加する態度と環境問題解決のための能力を育成することであると示されました。そして、行動に結びつく人材を育てることが環境教育の重要な目的とされています。また、「環境と社会に関する国際会議」の「テサロニキ宣言」(1997年(平成9年))では、持続可能な社会づくりと環境教育が不可分であることが示されています。環境教育はあらゆる場において、また対象となる人の発達段階又は生活のあり方 |
に応じ、行動に結びつく人材を育てるという視点で行われることが必要とされています。 ところで、このような視点はなんだか身近に感じませんか。(財)千里リサイクルプラザの市民研究は、市民研究員が環境問題や廃棄物問題について自主的に課題やテーマを掲げ、主担研究員の指導のもとプロジェクトチームをつくり、学習や啓発活動を行いながら、地域の環境保全、更には社会の変革や創造に寄与しようとするボランティアとしての活動です。環境問題は市民が知る、関心を持つ、理解することは勿論大切ですが、行動することが何よりも大切だと考えています。この市民の生活に密着した研究にこそ、プロの専門家でない市民研究の意義があると思っていますが、これらは先の「環境教育」の定義とぴったり重なっているではありませんか。これに小学校における「環境学習への支援活動」及び「環境学習発表会」の行事を加えれば、自らを、そして他者を、さらに次世代をも対象とした立派な環境教育といえます。勇気が出ますよね。 これからも持続可能な社会の実現に向け、循環型社会、低炭素社会、自然共生社会を目指して市民研究活動の翼を大きく広げていきましょう。 P2 8月に戻る TOPに戻る |