< 日本の食料はどうなるのだろう? >
 *最近の話題で考えること

 昨年は宮崎県で口蹄疫が発生し、牛、豚が約29万頭殺処分されたり、また今年に入り今度は、日本各地で鳥インフルエンザが蔓延し現在も大量の殺処分が進行している。この状況は日本の畜産生産に大きく影響してきている。その為に食料自給率が話題になって久しいが、2009年でカロリー計算で40%と、ここ10年間同じパーセントで推移している。
 3〜4年前に中国産の食品が問題になって以来、家庭の主婦はなるべく国産品を購入する傾向が多くなった。しかし国内生産が、気候変動、疫病等の色いろな影響により生産量、価格に変動があり、将来安定した国内産食料の供給が見込まれるかどうかわからない状況である。
 国産食料が不安定となれば、輸入に頼らざるを得ないわけだが、世界の食料事情も色いろ変動している。小麦、大豆の最大生産国のアメリカ、ロシア、アルゼンチン等も気候変動による不作が続き、生産量が減り価格が上がっている。約60%の食料輸入している日本にとっては、内外ともに影響が大きく、今後真剣に食料確保の対策をせねばならない時期に来ているのでは?と思われる。

 最近、にわかに話題になっているTPP(環太平洋経済協定)への参加の問題が議論されている。簡単に言えば、貿易自由化、関税ゼロにするとの事。農業関係者が、日本の唯一自給率100%の米が、海外から安い値段で輸入され、他の野菜等にも大きな影響があり、日本の農業が大きなダメージを受けるからTPPへの参加は反対との主張である。主食の米は、国産に限ると思うが、やすい米が輸入されると、消費者は迷うかもしれない。牛肉は、暫定関税率38.5%であり関税ゼロに
 
 
 

           市民研究員 下村敬三

なれば、なお安い輸入牛肉が入ってくる。
 しかし日本の家庭の主婦は、ただ安いからと、輸入食料を選ぶとは限らない。安全、安心の意識もあり、ただ安いから買えばいいとはならないのではと思われる。戦後食料難で育った世代には理解しがたい時代ではあるが日本だけの食料事情を言っていては世界の食料事情についていけない時期なのかもしれない。

 一方、日本は大量の食料輸入しながら、大量のもったいない食料廃棄があるといわれる。国内生産物、輸入物を合わせて、約20%近い食料が廃棄されている。生産段階、加工段階、外食、卸、小売段階のロスは、ある程度発生するとしても、多いのは、家庭段階で廃棄されるごみが約10%あるといわれる。家庭での、無駄な調理ごみ、期限切れ等の無使用で出されたごみ、食べ残しなどである。これは、もったいない食料廃棄であり大げさに言えば、資源の無駄使いと言えるのではないか。日本、世界の食料事情が深刻になってきつつある現状で、手短の問題として家庭でのもったいない食糧廃棄をいかに減らすかを、真剣に考える事が先決なのではと思われる。ではどうすればと考えるに
・計画的な献立を立て買いすぎをやめよう
・冷蔵庫に食糧を眠らせない様に常にチェックする。
・過剰な調理をしないで、食べられる部分までは捨てない。
・賞味期限は、決して廃棄期限ではないので表示期限をよく見て無使用で捨てない。
・食べ残しを減らしましょう。
*大事な食料、大事に消費し、もったいない廃棄を減らし、ごみ減量化に努めましょう!
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