世界からエコを考える-イタリア(ローマ編) そのT 主担研究員 内田慶市 この夏、8月20日から約1ヶ月の予定でローマに来ている。ローマ大学の長年の友人(前東方研究院院長、現ローマ大学副学長)との共同研究で、ローマやナポリを中心とした図書館に所蔵される宣教師による近代の中国研究資料の調査である。 ローマにはシンポジウムなどで毎年訪れており、今回は多分9回目ぐらいである。これまでは長くても2週間程度の滞在だったのでテルミニ駅付近のホテルに泊まっていたが、今回は1ヶ月ということでその友人に頼んでアパートを借りることにした。 部屋は、カンポ・デ・フィオーリ広場に隣接する細い「ペレグリーノ」通りに面した4階建てのアパートの最上階。このアパートだけではなくローマ中の建物がそうだが、このアパートも16世紀から17世紀に建てられたもの。まあ、ローマは町全体が世界遺産、文化遺産というわけである。決して歩きやすくはない石畳も古代ローマからずっとそうだったと考えれば、自分も歴史に一歩を刻んだということで不便も感じなくなるというもの。 それにしても、この場所は、ローマの市民の憩いの広場であり、朝は毎日、市が立ち市民が買い物に訪れる。夜になれば、観光客と地元の若者が集まってきて夜遅くまで賑わっている(これについては後述)。ついでに言えば、この広場はかつてローマカトリックから異端とされたジョルダーノ・ブルーノが火あぶりに処せられたところ。ローマで唯一、教会のない広場でもある。そして、ここから私の住むアパートの前の細い道を歩いて行くと、そこはバチカンなのだ。 さて、一応私も千里リサイクルプラザの主担研究員を命じられていることから、外国に来る度に、その国のエコや環境がどうなっているのかに関心が及ぶ。特にゴミの収集の状況である。 こちらに来て、大家さんからやはりこの件についての説明を受けた。ここではゴミは大きく4種に分類するようだ。生ゴミ類、可燃ゴミ類、プラスチック・瓶・金属類、段ボール類というわけ。生ゴミと可燃は毎日回収で、後はそれぞれ週に2回。ゴミの袋も色分けがされている(可燃は黒、プラスチック類は水色、段ボール類は白、そして生ゴミが紙袋)。 ただその後何日かたって分かったことだが、プラスチック類や段ボール類も週2回だけでなく、ほぼ毎日回収にやってきているようだ。各家庭のブザーを鳴らしてゴミがあるか、袋が足りているかを聞いて回っている。 ローマは狭い路地が多いので、ゴミ収集車も小さなものが多い。朝の早くから隈無く回っているようだ。 広場や道路にはゴミ箱が置いてあるが、特に駅などにはカラフルがゴミ箱が置かれている。さすがイタリアという感じの色使いであり、これならゴミを分別して捨てたくもなるというものだ。 (次号に続く) |
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