大枠の問題にどう取り組むか
                                     千里リサイクルプラザ研究所
                                     所長 土屋正春
 新年度の活動が始まりました。全部で7つの
チームです。中には昨年度とはほとんどのメン
バーが入れ替わり新規巻きなおしとなったチ
ームもあれば、新しいチームのためメンバーの
ほとんどが他のチームとの掛け持ちで定期的
な例会の開催ができないままのもの、長年の活
動を通した吹田市への政策提言の内容が具体
的に実現したチームなど、チームそれぞれの状
況はさまざまです。

教室での作業、工夫は充実
 活動全体を通しての特徴となっているのは、
小学校から高等学校まで、特に小学校への
学習支援活動が意識の中では大きな比重を占
めていることです。どのチームの例会の記録も、
そのための準備や具体的な段取りを検討した
という記録で満ちているのが何よりも雄弁に
このことを物語っています。その検討だけで、
他には議論したことがなかったという例会の
記録も多いのです。限られたクラスの時間の中
で、無理なく、無駄なく、子供たちをどうリー
ドするのか、この課題への取り組み姿勢がよく
現れているといえます。学校側との調整を重ね
ながら7つものチームがこれだけ集中して子
供たちと向き合う活動を続けている例は他に
は聞くことがありません。

作業の「向こう側にある問題」の伝え方
 同時にまた、私自身が皆さんとやりとりをし
て分かるのは、教室での作業を進めるのに手一
杯で、ごみ問題や環境問題、さらには資源問題
という.大枠の問題に児童たちをうまくリード
しきれない、それをするだけの時間のゆとりが
ない、という共通した悩みがあるということで
す。言い換えると、紙を切る、さびた鉄で布を
染める、牛乳パックをほぐす、調理後の油を混
ぜるなどの手先を使ってあれこれ子供たちが
楽しそうに工夫する作業、そうした作業の向こ
う側に控えている大きな問題を伝えきれない
もどかしさがあるということです。
 子供たちの感想では、楽しくて面白かったと
いうものが多くを占める中で、捨てられるもの
からこんなものができることに驚いた、ものを
大切にしないといけないことがよく分かった
というものも一定の割合を占めています。こう
した「気づき」を子供たちを通じて家庭に波及
させようとする先進的な姿勢で臨んでいるお
もちゃチームのような場合は、ここで述べた悩
みもまた深いようです。
 
説明資料の共通化はできないか
 教室での場面を取り上げれば、世界の人口は
増え続け、原油の世界生産量は減り続け、森林
破壊はいよいよ進み・・という問題がいっそう
深刻化している現在、将来を背負う子供たちに
伝えるべきことは何なのかという課題に正面
から向き合わねばなりません。いつぞやお話を
したオルドバイ仮説を思いだしてください。そ
れほど時間のゆとりはないのです。
「大枠の問題」については各チームがそれぞれ
の場面に応じ必要な範囲で工夫をしているの
が実情で、この面についての説明マニュアルが
きちんと整理されてはいないのが実情です。 
いわば一枚の説明資料も配られてはいない訳
で、チームごとの応用問題の展開で手一杯なの
です。
 私たち自身もこうした状況に応じた工夫が
できるはずで、今年はこのためのチエを集める
時間を設けたいと考えていますがどうでしょ
うか。

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