温暖化を考える連続講座 第1回
           異常気象と地球温暖化を聴講して
                                手作りおもちゃPT 綱島 勇
 11月15日(土)大阪学院大学2号館B1−
01教室において、大阪管区気象台地球温暖化
情報官 山本 義弘 氏による講座を聴講しま
した。
1)最新の報告書から
 今年は6年ぶりにIPCC(国連の気候変動に
関する政府間パネル)から最新の評価報告書
が出された。世界中の科学者が集まって温暖
化、気候に関しての研究を持ち寄ってまとめ
たものである。
@20世紀半ば以降、人為的な要因による温室
 効果ガスの増加を主な原因とする急速な地
 球温暖化が進行。
A世界の平均気温は、1880〜2012年の期間
 に0.85℃上昇。
B最近の30年間は急速に気温が上昇してお
 り、30年間の各10年は、1850年以降のど
 の10年間よりも高温。
C現状のまま、温暖化対策をしないで進むと
 2081〜2100年で平均3.7℃(2.6〜4.8)、
 厳密に対策を取り続ければ平均1.0℃(0.3
 〜1.7)というシナリオが報告されている。
D海洋の働きが重要
 気候システムに蓄積されたエネルギーの
 90%以上を海洋が吸収(海洋の熱吸収)。
講座の様子上部に加え
海洋深層で
も水温上昇。
海の役割が
重要。

2)日本の気候変動
@日本の年平均気温は、100年あたり
 1.14℃の割合で上昇。
A近畿地方と大阪の年平均気温の変化
 
  大阪⇒100年あたり1.96℃上昇
  近畿⇒100年あたり1.75℃上昇
B近畿地方の1時間30mm以上の強雨年間回
 数(1地点あたり)は増加傾向。
C日本近海における海面水温の変化
 100年あたり1.08℃上昇。将来日本近海
 では、2℃程度(100年あたり)の上昇が
 予想される。
 〔平成25年9月の台風18号(京都嵐山が
 浸水)が日本に接近前、日本の南海上で
 平年より1℃以上、日本海南部では2℃以
 上高い状態だった〕
D年平均気温の将来予測
 (20世紀末の20年間から21世紀末の20
 年間の変化を予測)。
 近畿地方では3℃程度上昇の予想
  大阪(年平均気温平年値 16.9℃)
  ↓3℃上昇すると種子島の気温
  種子島(年平均気温平年値 19.6℃)
E短時間強雨(1地点あたりの1時間30mm
 以上の年間発生回数)の将来予測(21世
 紀末)
  太平洋側で増加傾向が明瞭
3)異常気象について
 気象庁では、原則的にある地点・ある時季
において、30年に1回以下の現象を「異常」
と定義している。
 社会一般には、気象災害を起こすなど社会
的な影響が大きい現象を「異常気象」と呼ぶ
こともある。個々の異常気象を地球温暖化と
結びつけることは出来ないが、地球温暖化が
極端な高温の「起こりやすさ」を高めている
可能性がある。
 そのほか、猛暑日・熱帯夜の将来予測およ
び都市化率が気温上昇率に与える影響等につ
いてのお話がありました。
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