世の中、そんなにおいしい話は転がっていない。 株、ギャンブル、宝くじ一攫千金を夢見る人は多 いが、大儲けしたという話は、あまり聞かない。 逆に、確実に得をするのに、利用者が少ないとい う嘘みたいな話もある。 その一つが前回9月号で、同僚の下川泰代さん がちょっぴり紹介した「うちエコ診断」だ。電気、 ガスから家、車まで家庭ライフラインの使用料金 の節減方法を無料でアドバイスしてくれる環境省 の制度。その差額、時には(エコ意識の違いで) 2倍近くも増えたり減ったり。 しかも、CO2を削減して、地球を滅ぼす温暖化 防止にも貢献できる。私たちPTの研究テーマにピ ッタリではないか!――と思った。 8月の定例会で、「賞金付きなら応募殺到だろう が、同じ金額を節約で儲けるとなると、反応は鈍 い。これが現実。もう少し詳しく紹介していこう」 という提言があり、大阪府みどり公社にコーディ ネーターの赤坂真由美さんを訪ねた。 ◇ この「うちエコ診断」は、環境省が家庭のCO2 削減に向け、全国で進めている。大阪府では公社 が平成22年度から実施しており、延べ1500世帯 以上が受診している。 診断の運営は、環境省認定の自治体や各種企 業・団体が実施。受診申込書をファックス、郵送、 メールで送付する。事前調査票が送られてくる。 家族構成や光熱費などの情報を書き込む。最後に 診断士による対面診断となる仕組み。 その結果、何がわかるか? @家庭のエネルギー消費状況や光熱費を一目で わかるように図表で「見える化」し、平均的 なデータと比較してチェック。 これにより、住いの地域での「エコロジー度」 (100世帯中、何位に当たるか)までわかる。 ACO2が家庭のどこから、どのくらい出ている かチェック。給湯や暖房など、エネルギーの 使い過ぎている場所がわかる。 |
B診断士が対策を提案。光熱費、CO2がどのく らい減るかがわかる。 光熱費の平均値はいくらなのか?「大阪府の郊 外に住む2人世帯」という前提で、一か月あたり の光熱費を一部教えてもらった。 電気代9974円、ガス代5085円、 車ガソリン代2504円、灯油代546円 ちなみに、下川さん宅の直近1年、月平均は電 気代3820円、ガス代3301円でした。 ◇ この「うちエコ診断」、なんと無料。しかも、診 断士が各家庭まで出向いてくれる。さらに、公社 の事務所で行う窓口診断、特設会場を使った会場 診断、団体・企業等の職員を対象にした団体診断 がある。 8月5日、この診断を受けた吹田市職員のAさ んは「生活改善に向けて、診断士から具体的な指 摘を受けて、大変参考になりました。家計の負担 軽減にもなる良い取り組みです。市としても応援 していきたい。皆さんもぜひ受診して下さい」と 話す。 その言葉を裏付けるように、受診後アンケート では91%の人が「省エネに役立った」といい、診 断士の提案に88%が満足している。 ただ、利点の多い制度にしては、受診者が少な い。赤坂さんは「知名度不足かもしれない。家庭 訪問への敬遠、事前調査票に手間がかかることも 影響しているかも」と分析、「温暖化防止のために も、うちエコ診断を普及していきたい」と意欲を 燃やす。 問い合わせは大阪府みどり公社 (06−6266−1271)まで。 P4 10月に戻る TOPに戻る 参考 大阪府地球温暖化防止活動推進センター (財大阪府みどり公社内)http://osaka-midori.jp/ondanka-c/ . |