家電4品目の不法投棄状況(2) 「市民研究ニュース22年8月号再掲載」
                                                 市民研究員 山田英樹
 6月号では全国の不法投棄状況と吹田市の状況を比較して説明したが、今月は吹田市内の
家電4品目の不法投棄の状況を報告したい。尚、誤解されるといけないが、投棄物は所有者が撤去
するものであり、市役所は基本的には収集しないとのこと。収集する場合には調査し、警告書(吹
田警察署長、吹田市長)を貼り、3ケ月経過後に回収されるようだ。
1.吹田市の品目別投棄台数の推移 (平成13年度からリサイクル法が施行)      不法投棄台数推移
 吹田市の品目別投棄台数の推移 不法投棄台数推移
  @平成16年〜18年の投棄数が非常に多い。同時期に銅等
    の資源価格が高騰したのが原因と推察する。(右図参照)       国内銅建値推移(年度平均)国内銅建値推移(年度平均)
    市の収集態勢が変わったとかの要因は無いようである。
  A製品そのもの投棄と、有価物を取った後の投棄がある。
  Bエアコンは工事が伴うために個人での撤去が難しいことと、
    銅・アルミ等の有価物が多いので投棄が少ないと推察。
  C銅の国内在庫指数はH17年以降に急増。スクラップ問屋の引
    取りが減り、有価物を取る妙味が薄れて不法投棄が減少か。
  D不法投棄数が急増し急減する傾向は、一般市民の普通の生活だけによるものとは考え難い。
  E周辺の市に不法投棄されていることも考えられるので、次回は大阪府全体の傾向を調査したい。
2.家電4品目の不法投棄の具体的な例
  @家電品をごみとして不法投棄する例       A家電品の有価物を取って他を捨てる例
   (道路に投棄された冷蔵庫とテレビ)   (偏向コイルの銅を取りブラウン管のガラス部分は近くに投棄)
    (道路に投棄された冷蔵庫とテレビ)   (偏向コイルの銅を取りブラウン管のガラス部分は近くに投棄)
  Bリサイクル料を受け取り(リサイクル券も渡さず)、その後に家電品を不法投棄する例
   リサイクル料を安くすると言って廃家電を引取る業者があるようだ。リサイクル料の行方は不明。
3.家電リサイクルに関して知っていただきたいこと
  @家電4品目の再資源化は、メーカーの態勢が確立し、鉄・銅・アルミ等が回収されています。
   リサイクル料はこの再資源化の費用です。また、リサイクル工場までの運搬費用の負担も必要です。
   尚、指定引取場所に直接持込めば運搬費用は不要です。(リサイクル料は郵便局で支払います)
  A「家電リサイクル券」にリサイクル料金を添えて申込みます。(このリサイクル券は追跡調査出来ます)
  B中古品での再利用、海外向け、産業廃棄物処理の場合には、リサイクル料は発生しません。
  C冷媒ガスを使用のエアコンや冷蔵庫は、回収施設を備える業者で確実に回収したい。
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