しみんけんきゅうニュース28年1月号

    2016(H28)年1月号 No266 
しみんけんきゅうニュース Web版資源リサイクルセンター 建物イラスト
発行:(C)(公財)千里リサイクルプラザ 研究所 〒565-0826 大阪府吹田市千里万博公園4−3
    TEL 06-6877-5300  FAX 06-6876-0530 http://www.kaigisho.com/k-plaza/ 
 焼却工場からの風景 H27年12月撮影
 資源リサイクルセンター(くるくるプラザ)周辺イラスト地図 「JR茨木駅よりバス増便になりました。」 「モノレール公園東口・バス停は日本庭園前です。」 「ご来場は公共交通をご利用下さい」 「くるくるプラザ」 「エキスポシティオープン!」 「サッカースタジアム竣工!」 謹賀新年 エキスポシティ開業・新しい スタジアムもできました。 今年はより多くの方が来場される と思います、 くるくるプラザでも多くの方に 来ていただける施設を目指します。 本年もよろしくお願いいたします。  

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      年頭にあたって  研究所主担研究員より

 もっともっとチエの出し合いを !
        研究所所長  土屋 正春

 新年明けましておめでとうございます。
 いろいろと課題が多いプラザであり、研究所で
す。その背景の一つには、全般的に市民生活を通
して環境問題やごみ問題が見えにくくなっている
という事情があります。深刻な健康被害の発生や、
街中にごみが目立つ状況でもなく、とりあえずは
特に問題はないのではという受け止め方が広まっ
ているのでしょう。
 見方を変えれば、だからこそ地域社会をより質
の高いものにするには、意識ある日常的な市民生
活を通してそれを担うことが不可欠になります。
プラザを設立した当時の「志」が持つ意味は年月
の経過と共に増す一方です。学校で、そして公民
館で、私たちは何をどう伝えるのか。もっともっ
とチエを出し合う一年にしましょう。

 2R・資源循環型都市への挑戦
         主担研究員 小幡 範雄

 あけましておめでとうございます。
 昨年は初めて千里リサイクルセンターの市民研
究員の調査・研究に関わらせて頂きました。市民
研究員の方々の熱心な取組みに感心させられまし
た。このリサイクルセンターの性格・内容も社会
情勢の変化によって否応なしにまた変化させられ
たように思います。今年くらいからリサイクルセ
ンターの理念・コンセプトを市民研究員制度の発
展という軸から考えていければと感じています。
 現在は環境省をはじめとして2Rが主流になっ
てきています。リデュース・リユース・リサイク
ルで3R、2Rは前2つを言うのです。リデュー
スとはそもそも不要なもの・いらないものは買わ
ないのです。言い方を変えればリデュースは資源
の節約、縮小社会・循環型社会を目指すのであろ
う。この不要という概念は人によって異なるので
す。この人々が考える不要とはなにを示すのかを  

体系的に分析するのも面白いと思います。たぶん
人々の見解・意見は大きく異なり、何が縮小社会
であり循環型社会であるのかを決めるのは困難を
伴うことになるでしょう。困難なことは承知で皆
さんと共にリサイクルセンター全体の理念を考え
る年になればと思っています。

 一人ひとりが当事者の立場で
         主担研究員  三輪 信哉 

 あけましておめでとうございます。本年もど
うぞよろしくお願いいたします。
 昨年暮れには、フランスでCOP21が開催さ
れ、ようやく先進国も途上国も、またアメリカ
も中国も議論の場につき、自主目標を各国が提
示して達成に向け努力をするとの国際的な合意
ができました。ただ、各国の目標が本当に達成
できるのか、また上昇温度を1.5℃に止めると
の地球全体での目標が達成できるのか、これか
らの大きな課題です。目標はよいものの、達成
するには相当の努力が必要で、「誰かがしてくれ
る」といった他人任せではいかなくなります。
国際レベル、国レベルの上から号令をかけても、
それは自分たちと関係ない、あるいは自分たち
に関係するとしてもどうしたら良いか分からな
い。といったことでは目標も絵に描いた餅にな
ることは必定です。結局は市民ひとりひとりが
当事者であるとの認識に立てば、やはりこれま
で研究所が取り組んできた「虫の目」で「足も
とから」「問題解決の方法」を見いだし、「地域
の変容をもたらす」ことが間違いなく重要だと
思うのです。本年も楽しく明るく前進してまい
りましょう。
 イラスト「リサイクルイメージ」

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  平成27年度 研究実践発表会   エコ体験PT 西森建生

 平成27年12月5日 午後 千里リサイクル
プラザに於いて、我々は7つのプロジェクトにわ
かれて夫々 特徴的な活動を行い 半期の活動内
容と その解析を発表しました。冒頭、土屋研究
所長から「今7つのプロジェクトにわかれて、活
動をしているが、それぞれが協働出来るところが
あるのだから、そのような有機的な関係を作って
いきたいものだ。」という 期待のお言葉をいただ
きました。具体的発表内容についてはプラザ事務
局がまとめをしていただけるという事でしたので、
各個のプロジェクトについては、それにて勉強を
することとして本日の感想と、思いついたことを
書かせていただきます。
 今大坂ではモーターショウが開かれ、世界の自
動車メーカーが、車社会の将来を目指した対応を
披露しています。個々のメーカーが競い合っては
いますが、ショーとしては、新しいコンセプトの
形成が図られています。ここでは売る側・購入す
る側、共に将来はこうなるのだ・こうしたいのだ
という協動エネルギーが感じられるショーになっ
ています。昔はこのようなショーはメーカが購入
者に財布のひもをほどかせるというタイプのショ
ーでしたが、違ってきています。
  発表会会場の様子
冒頭の主担の先生のコメントも、このようなかわ
り方を期待してのお話であろうと考えます。協働、
例えば、学習支援でもそれを成功させるためには
事前に丁寧な、事前打合せが必要であることは、
夫々のPTでも、議論されているし、マニュアル
やチェックリストも作られていることが今回の発
表からも伺われます。
 我々が扱っている エコは10年ほど前は
国連で議論され、それが国で議論され、各市町村

でブレイクダウンの形で流れてきました。千里リ
サイクルプラザも、スタート当初はごみの減量だ
けに特化した活動で良かったと思いますし、我々
もそのような形で活動をしてきた経過があります。
吹田市はそのような冒頭の段階でも、他市とは違
い破砕選別工場を作り、今は12種分別ですが、
当初は5種分別という形で、市民になじんで行っ
ていただいたという事でしょう。
 発表会会場の様子
 近隣の他市では、製鉄会社のノウハウを入れた
炉の建設をして、そのPR文書には自転車や単車
でも燃やしてしまう、とPRした市町村もあった
ことが思いだされます。
 あまり詳しくは書きませんが、その時でも「捨
てればゴミ、分ければ資源」とコンセプトの明確
な市であったことを思いますと明確な戦略が示さ
れて、日々の生活には生きた戦術が発生してきた
歴史を感じています。それも早いもので10年を
越す歴史をこの千里リサイクルプラザは、市民研
究員制度を作り活動をしてきました。10年もす
ると、活動をしている人も年を取りますしマンネ
リも生まれます。
 この報告会の最後に、土屋所長のまとめ講評に、
「プラザは新しいスピリットをどうやって出す
か?」「市民研究員は、政府の方向の裏側を見る活
動」という言葉がありました。どうブレイクし発
展させるか重い発言だと思いました。提言とレス
ポンス、これがプラザを作ってきたと思いますし、
継続のエネルギーだと思っています。私は今日ま
で10年、皆さんはこれからも10年です。続け
てきてよかったと、いつも言えるように頑張りた
いと感じています。
 もうちょっと楽しい文章にしたかったのですが 
固い感想になって申し訳ないと思っています。

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    千里ニュータウンプラザにおける市民研究員募集展

 プロジェクトチームの維持、発展のための
市民研究員募集展の結果は!

         施設案内PT 下村敬三
 千里ニュータウンプラザ2階ロビーでの、募集
展は、3日間で、約500人以上の来場者があり、
中には熱心にパネル、展示品を見ながら、説明を
聞かれた方が多かった。8階まである建物のロビ
ーであるため、来館者が多数来られるが、さすが
日曜日は休館のフロアが多く、ウィークデイに比
べ少なかった。しかし土曜日のおもちゃPTの体
験教室に来られた親御さんたちのパネル、展示品
を見られることが多かった。
 布工房を始めに、工房作品、おもちゃの作品等
を熱心に見られており、質問も多かった。それに
加えて、くるくるプラザの存在についての質問も
見られた。各PTの事業説明のパネルももう少し
内容の充実とアピールの仕方の工夫が必要かと思
われた。いずれにしても、募集展なので入会者が
あることを願ったが、2〜3人ぐらいの方が検討を
していただいているようです。 最近の吹田市内
の環境団体のみなさんからよく聞く話として、会
員の増強に苦労されていることよく聞きます。
 募集展会場の様子「リユース食器の展示」
事業としては大変意義の有る団体、活動をされて
いるが、後継者、がいない。一代一事業の傾向に
ある。当研究所もその危機感を認識しながら、事
業活動発展を図りながら、研究員増強をもおろそ
かにできない。そのためのPTも全員で掛かりあ
わなければならないのかも知れない。折しも、パ
リでCOP21が開催されたところであり、そのP
Tも出来て居るので、他の団体ではできていない
このテーマを全面的に打ち出して、くるくるプラ
ザ研究所のアピールを強力に推進していけばと思
われる。

 出張展示会・市民研究員募集展報告
     手作りおもちゃと環境PT  綿谷 一
 平成27年12月11〜13日まで千里ニュータウ
ンプラザ(2階エントランス)で開催され、12日
午後から出席しました。
 市民研究員募集のための、手作りおもちゃ教室
の担当で、作品は「十字プロペラ」と「からくり
屏風」の指導を行い、12日午前・午後の参加者の
 募集展会場の様子「手作りおもちゃ教室」
人数は「十字プロペラ」親子12、成人1、子供10、
計23名、「からくり屏風」子供4、成人2計6名
で、合計29名でした。
 市民研究員募集のための開催ですが、ほとんど
図書館の帰りに参加するかたちで、ほとんどが親
子で、年齢層は30歳代の女性で、廃品を使って
おもちゃを作っている説明を聞くのみで、研究員
についての関心は、ほとんどありませんでした。
成人3名参加がありましたが、かなりの年配で、
イベントの開催前の時間での参加でした。子供が
十字プロペラで、とても喜んで遊んでいたのが、
印象に残りました。
 市民研究員募集についてですが、当日友人に声
をかけ、来てもらい、おもちゃの展示場で作品の
説明と、どのような活動を行っているかの説明を
行った結果、市民研究員応募の手続きを行っても
らいました。友人はシニア環境大学の同期です。
 研究員は、ある程度の時間の余裕があり、ボラ
ンティア精神を待った方が望ましく、ピンポイン
トでは友人、人数を狙うなら吹田市が後援してい
る、環境団体に声かけすることが、必要と感じま
した。
 来年、すいた環境学習協会(SELF)の第1期
『すいた環境サポーター養成講座』(シニア環境大
学の後継)の学生が卒業されます。是非このチャ
ンスを利用したいと思っております。

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  環境関連施設(灘浜サイエンススクエアと白鶴酒造資料館)を見学して
                                  温暖化と生活PT  築山 弘

 千里リサイクルプラザの市民研究員になって半
年あまり。「なぜだろう」と思うことが、しばしば
ある。その一つが、イベントの参加者が、内容の
わりに少ないように感じる。秋の連続セミナー、
ATC見学ツアー、らんま先生の実験ショーなど楽
しく勉強できる好企画。しかも無料。とてもお得
な公共サービスなのに。
 しかし、今回の灘浜サイエンススクエアと白鶴
酒造資料館見学ツアーは違った。有料(1000円)
なのに、参加者はバス満席の33人。中高年の女
性が多い。なぜだろう――環境施設ウォッチング
しながら、その謎も探ってみた。
 環境関連施設見学の様子「灘浜サイエンススクエア」
 12月3日午前9時、吹田市役所正面玄関前に集
合。バスに揺られて1時間余、灘浜サイエンスス
クエアに到着。さっそく見学となった。展示室は
「製鉄」「発電」「エネルギー」「環境」の4つの
テーマを結ぶ科学の広場。大きな体育館を開放し
たようなシンプルな建物だった。
 「見学のポイントは2つ。小学校高学年向けで
すが、大人でも十分楽しめます。そして、自分自
身で考えて体験することです」と若い女性ガイド
さん。
 「製鉄」と「エネルギー」コーナーは、エコ―
バネや鉄楽器、バランスボールなど鉄の性質、エ
ネルギーを利用したゲームや遊びがいっぱい。「発
電」コーナーでは手で回して発電したり、不思議
な音を鳴らしたり、ゲームをしたり。電気の面白
さを存分に楽しむ機器が並ぶ=写真。しばらくし
て、見学の児童たちと合流。歓声がこだまして、
私たちもすっかり学生気分に巻き込まれた。
 お目当ての「環境」コーナーは、コンビニで遊
びながら学ぶスタイルになっていた。私が注目し

たのは、パネルに「地球環境の歩き方」と書かれ
た書棚。A3サイズの本が何種類も並ぶ。
 案内役は動物たち。標題「南米に行く」は熱帯
雨林の減少、「南極が行く」は地球温暖化で溶ける
氷河、「芸術の国へ行く」では酸性雨で彫刻が溶け
るイラストが描かれ、説明が簡潔でとてもわかり
やすい。ゴミを減らす3R(リデュース、リユー
ス、リサイクル)の大切さを訴えるミニチュアの
台所やリビングも人気を集めていた。
 このほか、ビオトープ、せせらぎ、風力発電、
ソーラー発電などもあり、青空で昼食をとりなが
ら、環境に優しい気持ちになった。
           ◇
 バスで約30分。白鶴酒造資料館に向かった。
古い酒蔵をそのまま資料館として公開。昔の酒造
りの工程に従って、蔵人が作業する姿を人形で再
現。道具も本物。酒造り唄が聞こえて、江戸時代
にタイムスリップしたようだ=写真
 環境関連施設見学の様子「白鶴酒造資料館」
 この地は、日本酒の3分の1を生産する灘五郷
の一角。社員の説明によると、現在の容器の主流
はパック詰め。白鶴は7層構造のパックで、捨て
る所はない。環境に優しい酒造りが自慢という。
 巡回コースの最後は、利き酒。酒蔵で飲む酒は
やはり格別だ。そして、お土産コーナー。用意さ
れた買い物かごに日本酒、酒かす、酒を利用して
作られたお菓子、化粧品などが次々と放り込まれ
ていく。爆買い?
 そうか。人気の秘密は利き酒と<これ>か。そ
ういえば、旅行会社の企画には必ず買い物タイム
がある。環境の大切さを勉強しながら、買い物を
楽しむ。それも<あり>かな。ふと、そう思った。

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    27年度のマイバッグキャンペーンを終えて
                                        市民とお店をつなぐPT  福田 規子
 すいたレジ袋削減・マイバッグ推進協議会」に
よる27年度のマイバッグキャンペーンは、下記
の日程で行われ、多くの市民の皆さんにレジ袋削
減がごみの削減と資源の節約につながることを
お伝えしました。
   平成27年度マイバッグキャンペーン日程
平成27年度マイバッグキャンペーン日程 日程 時間  店名 6/25 4-5時 イズミヤ千里丘店 6/26 4-5時 フレンドマート岸部店 6/30 0-1時 イオン北千里店 7/12 0-1時 KOHYO山田店     4-5時 マックスバリュー吹田千里丘店 7/14 4-5時 ダイエー吹田店 8/20 4-5時 関西スーパー佐井寺点 9/3  0-1時 グルメシティ江坂店    4-5時 関西スーパー江坂店 9/13 0-1時 KOHYO江坂店    4-5時 マックスバリュー江坂店 9/28 4-5時 コープ吹田店 10/21 4-5時 イズミヤ山田西店 10/22 0-1時 グルメシティ公園前店     4-5時 イオンマーケット千里山店 10/27 0-1時 ライフ吹田泉町店     4-5時 ライフ豊津店 11/12 0-1時 Pマート山田店     4-5時 ライフ岸部店 11/19 0-1時 イオンマーケット北千里店     4-5時 イオンマーケット津雲台店 11/26 0-1時 ライフ桃山台店     4-5時 コープミニ山田店
 11月3日(火・祝)11時〜11時30分 イオ
ンモール茨木で、より十分な成果を得るためには  

広域的な取り組みが必要なことから北摂の市町と
協動して、北摂地域共通マイバッグキャンペーン
を実施しました。
 北摂7市町 ( 吹田市 池田市 茨木市 摂津
市 高槻市 豊中市 箕面市)の人気イメージキ
ャラクターが勢揃いし、「マイバッグでお買い物
を!!」と、大勢の買い物に来られたお客様に呼び
掛けました。
 マイバッグキャンペーンに各市ゆるキャラ協力

 好天に恵まれ祝日とあって続々と来場者があり、
各市町職員、市民団体からの参加者総勢41名が
広いモール中に散らばって、啓発のイラストが描
かれたポケットティッシュ2000個を配布しまし
た。ただし、ここのスーパーはイオン系列なので
既にレジ袋は有料化されており、お客様の大半は
マイバッグを持参されていましたが、専門店も多
く入っているので、今回のキャンペーンの成果は
あったと実感しました。
 使い捨てのライフスタイルを見直すきっかけと
して、平成21年に「レジ袋削減・マイバッグ推
進協議会」が発足し、持参率60%を目標に活動し
てきました。
 持参率は当初36.3%でしたが現在は43.5%で、
まだまだ目標値には遠く、28年4月には更に2
年間の協定延長の締結が行われる予定です。
 根気強く啓発活動を継続することが一番効果が
あると全会員の一致した見解です。

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        環境ウォッチ!エキスポシティ開幕
                                       温暖化と生活PT 築山 弘

 吹田市の万博記念公園で、ひときわ高い歓声が
こだました――11月19日のこと。6年半前に閉
園したレジャー施設「エキスポランド」の跡地で、
教育と娯楽を融合させた日本最大級の複合型施設
「EXPOCITY(エキスポシティ)」がオープン=
写真。国内初出店の13店舗など全305店舗と8
つの大型エンターテイメント施設が一堂に会し、
一躍、関西の人気スポットになっている。
 人と車の波が続く。交通渋滞やゴミ問題など環
境対策は大丈夫だろうか?温暖化と生活PTのメ
ンバーが現地でウォッチングした。
 開幕時のエキスポシティの様子
 開幕当日。午前9時30分、各施設の前には約
4000人の長い列ができた。しかし、懸念された周
辺道路の混雑はほとんどない。
 「万博に活気が戻って、大変うれしい。予想よ
り車が少ない感じ。モノレールの利用客が多いの
かな。ガードマンの姿が目立つわ」
 「吹田市には環境まちづくり影響評価条例が制
定されていて、事業者は交通対策を何度もチェッ
クして、専用道路やレーンを設置したらしいよ」
同行したメンバーたちは、地図を片手に車の流れ
を厳しくチェックした。
 その通り!車対策の決め手はできるだけ外周道
路を通過させずに、エキスポシティに入れ込むこ
とだったらしい。
 外周道路への出入り口は2か所のみとし、大阪
中央環状線から万国橋を利用して入場できる専用
道路を新設。樫切山方面からの車に対しては、万
博公園南交差点から出入りできる専用道路が取り
付けられた。

          ◇
 エキスポシティは万博記念公園の南東にあり、
敷地面積は17万2000㎡。大阪府が再開発事業者
を公募し、選定された三井不動産が施設管理者と
なった。中核店舗は「ららぽーとEXPOCITY」。
エンターテイメント施設としては▽大阪南港の
「海遊館」が初プロテュースする映像や音楽を駆
使したミュージアム▽米国の街並みを再現した体
験型教育施設▽高さ18m超、幅26m超の巨大ス
クリーンを楽しめる最新鋭の映画館など。
 2016年には大自然を体感できるミュージアム
や高さ120m超の大観覧車も登場する。 
 なんと豪華なラインナップ。当然、大混雑が予
想された。そこで、三井不動産は吹田市の環境ま
ちづくり環境評価条例の手続きを踏み、同市や警
察など関連機関と入念な打ち合わせを繰り返した。
来場者は平日4万人、日祝日6万6000人、年末
など特異日8万3000人。その55%が車の利用客
と予想して対策を練った。ちなみに、新たな駐車
場の収容台数は約4100台。
           ◇
 次のチェックポイントは、環境への影響の大き
いゴミ問題だ。
 対策として、従量課金制を採用するという。こ
れは、各店舗が排出するゴミを計量し、重量に応
じて課金するもので、他のららぽーとでも減量に
一定の効果が上がっている。
 さらに、100KWの太陽光パネル、断熱性の高
いLow‐E複層ガラス、LED照明の採用、ヒー
トアイランド対策の高反射率塗料、屋上、壁面緑
化、電気自動車充電スタンド――など地球温暖化
防止にも十分配慮しているように見えた。
 しかし、近く隣接地で市立吹田サッカースタジ
アム(4万人収容)が始動する。その時、万博の
環境はいかに?吹田市民の反応は?今後もウォッ
チングを続けていきたい。
          ◇
 なお、開幕前、吹田市役所の楠本直樹主幹から
エキスポシティのレクチャーを受けた。

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