環境問題講演会(テレビ会議システム) 講師 内田慶市 先生(関西大学大学院東アジア文化研究科教授) 丁 紅 衛 先生(北京外国語大学日本学研究センター教授) 演題 「東アジアの環境問題を考える」 〜大学と市民の集い〜 を聴講して 市民研究員 綱島 勇 |
|
平成24年2月16日(木) 午後2時から関西 大学以文館4階 セミナースペースにおいて、 (財)千里リサイクルプラザ・関西大学文化交渉 学教育研究拠点が主催する講演会が、117人 の参加者を集めて開催されました。 講演に先立って、関西大学文化交渉学教育 研究拠点の藤田先生から同拠点の活動紹介、 北京外国語大学とは毎週テレビ会議システム で交流を図っているとのご挨拶がありました。 『文化としてのエコ ― 「環境」を超えて』 最初に東日本大震災を取り上げられ、故高 木仁三郎氏(1938-2000)は、すでに、阪神淡路 大震災の発生した1995年に、地震と津波に襲 われた際の福島第一原発事故を予見し、福島 浜通りの危険に警鐘を鳴らしておられた。高木 氏の警告を無視していたため、今の福島を迎え ることになったということでした。 一方、東日本大震災では、 自衛隊・警察・消防・ ボランティア等の見返りを 求めない愛・思いやりの 心を呼び起こさせてくれ ましたし、また、 世界中からの支援の輪も見ることができた。 今こそ地球規模での生活環境の見直し、まさ にエコの時代がやってきている。 ただ、経済成長・生活向上とエコは両立する か?、エコを考えるとき、今後発展途上国の経 済活動と環境が問題となってくる。 COP15に見るように、各国のエゴのぶつかり 合いを目のあたりにした。「エコ」は「エゴ」に通じ る。環境という言葉は、初めから自分と他者とい う「垣根」、自分を中心とする発想である。 |
「地域」・「国境」・「縄張り」意識が始めから存在 し、この垣根を乗り越えることが求められている。 ゴミ箱一つとっても、各国でデザイン、形、色 等様々、それぞれ地域の文化にあった「エコ」 を考えるべきで、片意地張った「エコ」でなく、 普段着の「エコ」を! と結ばれた。 『日中経済貿易関係と環境協力』 丁 紅衛先生は、名古屋大学大学院経済学 研究科博士課程を修了されていて、日本人と変 わらず日本語が上手なのには驚かされました。 発展途上国では、 経済発展と共に環境 問題が発生する。経 済発展における効率 と公平の問題が生じ る。先進国と途上国の公平性を考えるとき、 技術援助、技術移転、環境問題における 国際協力が必要となってくる。 中国では2007年にCO2排出量がアメリカを抜 いて1位になった。石炭の消費量が多いこと、内 需拡大によるインフラ整備が急ピッチなことが原 因である。 日中貿易では、経済的には有利に作用してい るが、CO2排出量は増加、環境効果は望ましく ない結果が出るかもしれないということでした。 最後に、環境問題を考えるとき、行政、企業だけ でなく、市民レベルの環境協力が必要である。中 国でも欧米、日本ほどではないが、環境NPO、市 民ボランティアも増えてきているが、中国で今一番 欠けているのは、市民レベルでの環境保護意識 の向上ではないかと考える。ということでした どこの国でも「エコ」を考えるとき、市民の意識改 革、市民参加が最も重要のようである。 P4 → P5に続く 3月に戻る TOPに戻る |