市民研究ニュース 26年1月 再掲載 →P4より続く くるくるフォーラム事例発表 微生物で豊かな暮らしを!!PT 馬場慶次郎 フォーラムの後半は4つの事例発表で、 ま ずは地元企業であるアサヒビール株式会社吹 田工場醸造部の山田和幸さんより、「ビール製 造における微生物の活用について」の発表が ありました。 ビールは、麦汁に含まれる糖分をアルコール と炭酸ガスに分解する酵母菌の働きによって つくられます。各ビール会社によって、また同 じ会社でも銘柄によってビール酵母の性格が 違い、それが味の違いになるそうです。酵母は 使い捨てでなく、発酵 タンクから貯酒タンクに 移す際に回収し、10回 以上再利用するとのこ とでした。 次は吹田市下水道部の水質管理官の樋口 俊行さんから、「下水道と微生物の活用」と題 して活性汚泥法について説明して頂きました。 下水処理場に流れてきた汚水はスクリーンに よってゴミを除き、沈殿した砂も除去して最初 沈殿池に送られます。そこで汚泥は沈殿し取り 除かれますが、細かな有機物が汚水中に残っ ているので、次の反応層において多様な微生 物の集まりである活性汚泥とともに撹拌させま す。この過程で、微生物が有機物に吸着し分 解します。ズーグレアという細菌が汚れの除去 に主に活躍し、水の浄化が進むと原生動物や さらに大きな後生動物も繁殖するそうです。下 水処理の状況が良好か行き過ぎでないかなど 水中の微生物の 個体数検査をする ことで把握できるそう です。最終沈殿池で 活性汚泥 |
を沈殿させ、上澄みの水に次亜塩酸ソーダを 注入し、神崎川に放流します。活性汚泥は反 応層に返送され、再び有機物の分解に働いて くれるとのことでした。 3つ目の発表は、 市民研究員である エコイベントPTの 馬場節子さんから、 「リユース食器の洗い場・排水溝における微生 物の活用」ということで、EMを使った清掃活動 についての報告がありました。 エコイベントPTは、使い捨ての食器の使用 をやめて、ゴミの排出量を減らそうと、様々なイ ベント会場におけるリユース食器の使用の普 及拡大に取り組んでいます。リユース食器は 洗浄して返却したほうが使用料は安いのです が、洗う時間がなかったり人手がなかったりし て、そのまま返却される場合もあり、そのときは プラザ内のサロンで洗うことになります。その頻 度が多く、見学者からも臭いを指摘されていた そうです。そこでEMを使った清掃を試すこと になり、毎日の業務終了後に、流し台や排水 溝、会所枡にEM発酵液を投入、さらにEM団 子も使用したそうです。臭いも徐々に感じなく なり、会所に溜まるヘドロの量も前年より減少し たそうで、微生物の活用に取り組んで良かった との報告でした。 最後は、微生物の活用で豊かな暮らしをPT の金子俶子さんから、EMを使った廃油石鹸作 り、小学校のプール清掃、生ごみの堆肥化の 取り組みについてなどPTの活動報告はありま した。出前講座や学習支援での実践が成果を 挙げ、子どもたちが 喜んでくれることに やり甲斐を感じている 姿が印象的でした。 P4に戻る← P5 1月に戻る |