市民研究ニュース再掲載 2009年3月号P5
 環境学習支援「給食の野菜くずを堆肥化」     生ごみ119番救助隊 笠原和代

 千里第一小学校からごみ減量の体験学習の依頼を受け、2月3日多目的ホールで行った。
 私達メンバー6名は、各自の畑の収穫物を持参し葉牡丹や十数種類の野菜を机の上に並べ、その前に4年生全クラス約160名が集合した。事前に学校と打ち合わせをして、今回は「微生物によるバケツ方式」の生ごみ堆肥化の授業である。
  野菜の前にして説明
 本題に入る前に、食べ物を大切にしてほしいとの願いをこめて、約60年昔の日本の状況について話をし、日本でもおなかいっぱい食べられない時代があったことを話した。3年生の秋、国語の教科書にあった「ちいちゃんの影おくり」でイメージを膨らませ、今この時代も地球上には多くの人が飢えで苦しんでいることを伝え、食べずに捨てることへの警告にした。
 つづいて生ごみについて話し合う。
 生ごみってどんなもの?何処で処理されている?処理される生ごみの水分は?子どもたちから元気の良い反応が返ってくる。生ごみの80%以上が水分であることを伝え、燃やすには沢山のエネルギーが必要であり、地球温暖化や大気汚染につながることを話す。
 いよいよ本題の微生物について話をする。微生物「好気性菌」「嫌気性菌」
 生き物には大きい動物から地中で暮らすもの、顕微鏡で拡大しないと見えない小さなものがいるが、私達の暮らしに役立つ微生物も多く、その微生物の力を借りて出来た食品にはどんなものがあるか皆で考えてみた。
 
 

「納豆、チーズ、ヨーグルト、糠漬け」など答えが子どもたちから返ってくる。その後、生ごみにふりかける"ぼかし"を見せ、有用微生物が80種類以上生きている液体と米糠と混ぜ合わせて作ったことを説明する。生ごみをバケツに入れ"ぼかし"を振りかけ、密閉することで、生ごみの発酵がすすみ、それを地中に埋めると地中の良い微生物が活発に活動して生ごみを分解し、自然環境が良くなることを説明した。
 さあ、クラスごとに実践だ。生ごみ用の特別なバケツの説明から始まり、私達のメンバーが手順よく作業を見せて進め、2回目から子どもたちの番だ、2人1組となり、生ごみをバケツに入れぼかしを振りかける。野菜くず今回の生ごみは給食の調理室で出た野菜くずである。
 「サラダや!微生物にサラダ!」素敵な子どもの言葉に心がおどる。クラスの半数の子どもが作業を体験し重石をして蓋をしてこの日は終了する。嫌気性菌(EM式)堆肥化
 明日から未体験の子どもたちがバケツがいっぱいになる迄毎日やってみることにする。
  バケツに野菜くずを入れる
 最後に子どもたちは展示した野菜をじかに手でふれてみる。根がついていたり、土のついた野菜を見る機会は少ないのだろう、ゆっくりゆっくり観察する子どもたち、「おいしそうや!」の声に準備の苦労も吹き飛んだ。私達は互いにささえあい楽しみながら生ごみ堆肥化に取り組んでいる、この思いが子どもたちに届くようにと願っている。
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